下山静香クラシックコンサート
~Around 古典派&新古典主義全3回シリーズ~
伝統∞革新 vol.2

2011年10月1日(土)アミューたちかわ 小ホール

 アミューたちかわ(東京都立川市)で年3回ほど行われているピアニスト・下山静香さんの定期コンサートを、ここ2年ほど毎回聴いている。

 下山静香さんのサイト

 友人がコンサートの運営に関わっていたので招待されて行き始めたのだが、最近はすっかり下山ファンになってしまい、私の行動範囲内で行われる彼女のコンサートには都合がつく限り伺うようにしている。

 30代の後半くらいからときどきクラシック音楽を聴きには行っていたが、はっきり言って知識は完全ド素人、音楽センス皆無、とうてい熱心なクラシックファンとは言えない私が、一人のアーティストのコンサートに頻繁に赴くのにはそれなりの理由がある。

 簡単に言うと“プロの技を感じさせてくれる”から、ということになるだろうか。

 もう少し説明すると、下山さんのコンサートを聴き始めた頃は気がつかなかったのだが、何度か聴いているうちに不思議と彼女のコンサートから、クラシック音楽の奥深さやその鑑賞の楽しさが伝わってくるようになったからだ。

 それは一つには、下山さんのコンサートの多くに明確なテーマが設定されており、そのテーマに合わせて曲の合間に丁寧な説明が為されるということもある。
 だが「曲の合間に説明すれば、みんなよくわかるでしょ」というような簡単な話であるはずがない。

 よくよく考えて思い至ったのは、そこに彼女がプロとして蓄積してきた技術や経験やセンス、そのほかいろいろなものが凝縮した演奏があるから、それで聞く側にもいろいろなものが伝わってくるのだろうということだ。

 当たり前のことだが、ひとつのコンサートを作り上げるのに、アーティストはいろいろなことを考え、入念に準備するはずだ。曲目、演奏の順番、MCの内容、アンコールでは何を演奏するか、etc…。

 その最終的な完成形を私たちはいつも鑑賞しているわけだ。

 下山さんの場合、自らのピアニストとしてのテクニックを誇示するわけではなく(もちろん演奏は抜群だが)、クラシックってこんな曲もあるし、この曲をこんな演奏で楽しむこともできるし、こんな弾き方もできるのよ、といった具合に次々と自分の引き出しからプロの技を繰り出してくる。そんなところが、私の感性にあっているのだろう。

 ちなみに今回のコンサートは前半は下山静香さんのピアノ・ソロ、後半はヴァイオリンの今井睦子さんとの共演だった。

 今井睦子さんが所属する紀尾井シンフォニエッタ東京のサイト

 この今井睦子さんもプロの技術とクラシック音楽への情熱を感じさせる、非常にいいヴァイオリニストと感じた。

 世間では、有名な指揮者やオーケストラ、ソリストばかりが注目を集める傾向が強いが(もちろんそれはそれで素晴らしいのだが)、高い技術と情熱を持ったアーティストはいろいろなところでがんばっている。自分のお気に入りのアーティストを見つけるというのは、かなり楽しいことなのでぜひ多くの人にトライしていただければと思う。

 最後にクラシック音楽をあまり聴かないという人や、たまに聴くけどコンサートには行かないという人に一言。

 その昔、傑作推理小説を紹介する本で「読まずに死ねるか!」というのがあったが、 クラシックのコンサートに行くと「あぁ、聴かずに死なないでよかった」と思うような名曲としばしば出会える、ということを申し添えておきたい。

下山静香クラシックコンサート
~Around 古典派&新古典主義全3回シリーズ~ 伝統∞革新 vol.2 演目

【ピアノ】
 J. S. バッハ:パルティータ第2番 BWV 826
 B. バルトーク:組曲 Op. 14b

【ヴァイオリン&ピアノ】
 J. S. バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第2番 BWV1015
 I. ストラヴィンスキー:イタリア組曲
  1.序奏 2.セレナータ 3.タランテラ 4.ガボットと変奏
  5.スケルツィーノ 6.メヌエットと終曲

【ヴァイオリン&ピアノ:アンコール】
 マリア・テレジア・フォン・パラディス:シチリアーノ
 J. S. バッハ:グノーのアヴェ・マリア

(2011.10.3)

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